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2012年09月14日の記事は以下のとおりです。

写研フォント

 「写研の写植用書体がついにOpenTypeのデジタルフォントとなって発売」というニュースが入ってきたのは2011年で、「年内に発売したい」ということであったが、とうとう発売せず2012年を迎えてしまった(※1)。
 写研のデジタルフォント自体はずっと前から存在しているので(※2)、1から作っているのではなく修正や増補の作業を行っているのだと思われる。ただ、写研には公式サイトがないので、進捗状況はどうなっているのかはほとんどわからない。印刷業者あたりがたまに情報を漏らす程度である。

 どうしても時期を逸した感があるなかで、果たして写研のフォントは現在どれだけの需要があるのだろうか。石井ゴシックはいまだ代わりとなる有力なフォントがないので(※3)、需要が期待できるかもしれない。一方、ゴナは、新ゴが代替フォントとして広く使われるようになってしまったので、いまさら需要は期待できないかもしれない。
 写植書体は総じて優れているので、後世に受け継がれるべきだとは思う。しかし、今となっては古めかしい印象を受ける書体も多く、モリサワやフォントワークスが力のある今、かつての栄華を取り戻すのは厳しいか。

※1)「発売したい」という言葉はどこまでの“本気度”を含んでいたのか、そのあたりのニュアンスがわからないので、そもそも真に受けるべき言葉ではなかったのかもしれない。
※2)例えば、2004年の三島市広報のPDFには、写研フォントが埋め込まれている。
※3)おとなしめのゴシック体フォントだと、游ゴシックが非常に優れているが、石井ゴシックとはまた違う趣である。

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