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「一太郎2014 徹」と付属フォント

 来年2月に発売される「一太郎2014 徹」の詳細が先日発表された。数年前からプロユースなフォントを付属している一太郎であるが、今回は字游工房のフォントが付属するという。游明朝体、游ゴシック体、游明朝体五号かな各3ウェイトと、游教科書体の、計10書体だ。
 最近WindowsやMacOSにもバンドルされた字游工房のフォントだが、普通に買えば1書体で2万は下らない。仕様の差はあるものの、お得であるのは間違いないだろう。
 電子書籍ブームを復活の足掛かりとしたい一太郎がフォントにこだわるのは分かるんだけど、ここまで膨れ上がるとどっちが本体なんだか、という感じがしないでもない。本体の方も、しっかりグレードアップしていたらいいな。

日本語ワープロソフト 一太郎2014 徹
字游工房

ヒラギノ角ゴ

 最近、ヒラギノ角ゴという書体が存在感を増している。
 iPhoneを始めとするアップル製品の多くに標準搭載されているほか、可読性の高さから高速道路の標識にも使われ始めている。




※両者とも英字はヒラギノ角ゴではない別の書体を用いている。

 そんなヒラギノ角ゴだが、この書体が合うなあと個人的に思うのが、スーパーの価格表示。


 他のモダンゴシックに比べて上品な感じがあるので、とくに高級志向のスーパー(成城石井やいかりの類)でマッチすると思う。

写研フォント

 「写研の写植用書体がついにOpenTypeのデジタルフォントとなって発売」というニュースが入ってきたのは2011年で、「年内に発売したい」ということであったが、とうとう発売せず2012年を迎えてしまった(※1)。
 写研のデジタルフォント自体はずっと前から存在しているので(※2)、1から作っているのではなく修正や増補の作業を行っているのだと思われる。ただ、写研には公式サイトがないので、進捗状況はどうなっているのかはほとんどわからない。印刷業者あたりがたまに情報を漏らす程度である。

 どうしても時期を逸した感があるなかで、果たして写研のフォントは現在どれだけの需要があるのだろうか。石井ゴシックはいまだ代わりとなる有力なフォントがないので(※3)、需要が期待できるかもしれない。一方、ゴナは、新ゴが代替フォントとして広く使われるようになってしまったので、いまさら需要は期待できないかもしれない。
 写植書体は総じて優れているので、後世に受け継がれるべきだとは思う。しかし、今となっては古めかしい印象を受ける書体も多く、モリサワやフォントワークスが力のある今、かつての栄華を取り戻すのは厳しいか。

※1)「発売したい」という言葉はどこまでの“本気度”を含んでいたのか、そのあたりのニュアンスがわからないので、そもそも真に受けるべき言葉ではなかったのかもしれない。
※2)例えば、2004年の三島市広報のPDFには、写研フォントが埋め込まれている。
※3)おとなしめのゴシック体フォントだと、游ゴシックが非常に優れているが、石井ゴシックとはまた違う趣である。

イワタ明朝体オールド

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