パイロット 強色(TSUWAIRO) INK-30TW 万年筆用顔料インク
パイロットからついに万年筆用の顔料インクが発売された。これで、日本の万年筆メーカー大手3社から、顔料インクが出そろうことになる。
色はブラック、ブルーブラック、ブルーの3色あり、今回はそのうちブルーを購入した。この記事では、リファレンスとしてセーラー万年筆のストーリア・ナイト(ブルー)と比較しながら、強色を紹介していく。
まず、インクの色味はいたって普通のブルー。万年筆用インクにありがちな紫寄りのロイヤルブルーではない。ストーリアのナイトにとても近い色だ。あえて差を言うのであれば、強色の方が赤みが強く、彩度が低い。と言っても、その違いはわずかでしかなく、パッと見ただけでその違いは分からない。ストーリアのブルーはインクの溜まったところでレッドフラッシュが発生するが、強色ではレッドフラッシュは顕著には見られない。
顔料インクなので発色はマット。また、染料インクに比べると色が薄い。書いたあとすぐは色鮮やかだが、乾くと彩度が落ちる。ストーリアも同じような彩度変化をするので、顔料インクはそういうものなのかもしれない。
実測したわけではないが、インクの粘度はストーリアよりも低いと見られる。パイロットらしいサラサラなインクだ。世の中の顔料インクはどろっとしたものが多いので、このサラサラ感は貴重かもしれない。
また、インクの表面張力もストーリアよりも低いようで、コピー用紙のような薄く品質の良くない紙だとインク溜まりのところで裏抜けする。ただし、パイロットのノーマル染料インクほど激しく裏抜けするわけではなく、実用上はさほど問題ないだろう。