宗谷バス 天北宗谷岬線のダイヤ改定
宗谷バスの天北宗谷岬線。稚内から宗谷岬、猿払、浜頓別、中頓別を経て、音威子府に至るバス路線だ。宗谷岬付近を除き、1989年に廃止されたJR天北線のルートを引き継いでいる。
その天北宗谷岬線のダイヤが2019年10月に改定された。内容は本数が半分近くになる大幅な減便。輸送量が著しく少なく、補助金を打ち切られたためだ(※)。
減便後のダイヤは、地元の高校生の通学需要や、都市間バスへの接続に必要な最小限の便だけを残した格好となっている。一方、本路線の一つの大きな収入源であろう宗谷岬への観光需要には適さないダイヤとなっており、稚内方面から行き来する場合だと1日に2往復しか乗車できる便がない。稚内~宗谷岬だけを走る便があっても良さそうだが、特別に区間便を仕立てるほどの需要があるかと言われると微妙で、肝心の「天北宗谷岬線」の需要を食ってしまう弊害もあるので、その実現は望み薄だろう。
※ 厳密に言うと、「輸送量が少ないから」は正確ではない。輸送量が少ないのは前からのことで、地元自治体が回数券を購入することにより、輸送量が補助金基準を満たしているように見せかけていた。しかしながら、実態が伴わないことを会計検査院に指摘され、補助金を打ち切られてしまった、というのが正確な内容だ。