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最北の書店が閉店

日本最北の書店である、北海道稚内市にあるクラーク書店が本日閉店した。

この書店にはこれまで何度か訪問し、一度書籍を購入したこともある。大型店舗ではないが、個人商店のように小さいわけでもなく、稚内という都市の規模を考えれば十分な大きさの書店だった。こういった店舗が町の書籍文化を支えているのだなと感じていたが、ネット通販の拡大などには勝てなかったようだ。

クラーク書店(北海道稚内市)

共同通信によれば、離島を除けば、明日からの最北の専業書店は枝幸町にある三浦書店になるという。

こちらの書店も訪問したことがある。店の規模はさほど大きくないが、人口密度の低いこの地域においては、書店があるということだけでも貴重な存在であると言えるだろう。

三浦書店(北海道枝幸町)

なお、稚内から書籍を購入できるところが完全に消えたというわけではない。専業の書店に限らなければ、総合スーパーの西條や、レンタルビデオ店のゲオ稚内店で書籍の取り扱いがある。

沿岸バスのサロベツ線が廃止

北海道の北部、日本海側を拠点とする沿岸バスは、豊富町中心部と日本海沿いの稚咲内地区を結ぶ「サロベツ線」について、今年の3月31日を最後に運行を終了すると発表した。

豊富町市街地を出てからは行先の稚咲内まで目立った集落はなく、そしてその稚咲内もごく小さな集落。途中でサロベツ原野観光の拠点となるサロベツ湿原センターを経由するものの、1日2~3往復しかない路線バスを利用する観光客もさほどいるとは思えず、利用客は廃止に値するほどわずかであったのは想像にかたくない。

サロベツ線は当サイトでも少しだけ紹介しているが、茫漠とした原野の中を走り抜け、そして小さな漁港へとたどり着くこのバス路線は、他に類のない寂寥の混じった旅情を否応なく掻き立てるものだった。

サロベツ湿原センター前停留所に到着するサロベツ線のバス

旅客が少なく廃止となった地方のバス路線は、市町村のコミュニティバスやデマンド交通によって代替されることも多いが、このサロベツ線に関しては今のところ代替交通の情報は発表されていない。

宗谷バス 天北宗谷岬線のダイヤ改定

宗谷バスの天北宗谷岬線。稚内から宗谷岬、猿払、浜頓別、中頓別を経て、音威子府に至るバス路線だ。宗谷岬付近を除き、1989年に廃止されたJR天北線のルートを引き継いでいる。

その天北宗谷岬線のダイヤが2019年10月に改定された。内容は本数が半分近くになる大幅な減便。輸送量が著しく少なく、補助金を打ち切られたためだ(※)。

減便後のダイヤは、地元の高校生の通学需要や、都市間バスへの接続に必要な最小限の便だけを残した格好となっている。一方、本路線の一つの大きな収入源であろう宗谷岬への観光需要には適さないダイヤとなっており、稚内方面から行き来する場合だと1日に2往復しか乗車できる便がない。稚内~宗谷岬だけを走る便があっても良さそうだが、特別に区間便を仕立てるほどの需要があるかと言われると微妙で、肝心の「天北宗谷岬線」の需要を食ってしまう弊害もあるので、その実現は望み薄だろう。

天北宗谷岬線のダイヤの改定前後での比較(クリックで拡大)

※ 厳密に言うと、「輸送量が少ないから」は正確ではない。輸送量が少ないのは前からのことで、地元自治体が回数券を購入することにより、輸送量が補助金基準を満たしているように見せかけていた。しかしながら、実態が伴わないことを会計検査院に指摘され、補助金を打ち切られてしまった、というのが正確な内容だ。

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